体毛の不思議

この制御システムによって部位別の毛の伸びる限度があると考えられているのですが、この「毛が伸びない」というものがどういう形で行われているかというと、細胞分裂なのだそうです。

細胞分裂が活発に行われることによって、毛が伸びるわけですが、長くならない毛は細胞分裂の回数が少ないのだそうです。

その分寿命も少なく、また伸びる限度というのがこの細胞分裂に司られているわけですから、「回数券を使い終わったら伸びない」という現象で現れるのでしょう。

そのうちにどんどん抜け落ちてしまうわけですね。

この伸びない毛というのは、髪の毛のような伸び続ける毛よりも、毛周期が早いのです。

ですから抜け落ちてまた生え変わるのが早い。

そもそも赤ちゃんの時には毛が生えているものらしい。

お腹の中の赤ちゃんは、体毛に包まれているのだそうです。

胎児の時ですね。

胎児の時に全身の毛乳頭があるところ全てに毛が生えているそうで、これを胎生毛といいます。

生まれてくるときには子宮の中で一回すべて抜け落ちて、柔らかい毛に生え変わります。

生まれてから1年経ったあたりで君の毛や眉毛や睫毛などが硬い毛になるのです。

お腹の中からすでに髪の毛や眉毛睫毛がきれいな硬い毛になって生まれてくる子もいますが、それも一回抜け落ちたあとあたらに生えた毛でしょうから、別になんという支障があるわけでもありません。

面白いもので、赤ちゃんはお腹の中で海と同じ成分の中に、ぷかんぷかん浮いて生活しているんですよね。

お腹の中で海から生まれてから今の形になるまでの、進化の過程を遂げているということなのでしょう。

体中に体毛があったのも、進化の過程で退化したものですから。

ちょっと話がそれてしまいますが、生まれたばかりの赤ちゃんを抱っこして足の裏を地面につけてあげると、歩き出そうとする格好をするんですよね。

動物の赤ちゃんは生まれてすぐに立ち上がろとしますし、実際に立上ります。

人間の赤ちゃんもその名残があるのでしょう。

そのうちにそのことを忘れて、人間の成長をたどるようになります。

歩くことも忘れて、一から学び始めるのですね。

体毛の話の戻ると、体毛はもともと全身を覆っていて、ワキ毛などということではなく境目なく生えていました。

それがすべて抜け落ちてしまうのが人間となった現在。

そして「多分ここだけは大切」という部分は、生殖活動が可能になる年代の手前、いわゆる思春期にもう一度生えてくるのでしょう。

これが最も「ムダ毛だからヤメて!生えないで!」と言いたくなる部位ですが、多分毛本人は大真面目で生えてきているのです。